AFC チャンピオンズリーグ 2016 ラウンド16 第1戦
【マッチプレビュー】
いよいよ始まったACL決勝トーナメント。日本、韓国、オーストラリア、中国それぞれが2チームを送り出す。
FC東京は1回線で上海上港と戦う。ガンバ大阪は力負けしてしまったが、倒せないほどの実力差はなかったように思う。FC東京に倒せない相手ではない。
まずはホーム、中華なんてペロッと食っちゃってくださいよ!!
フォーメーション&試合結果
FC東京 |
1-0 1-1 |
1 |
上海上港 |
心技体が揃った前半のFC東京
この日のFC東京は、守備が堅固である。アンカーに高橋、セントラルMFに米本、羽生を配置。加えてサイドの東や水沼も運動量に定評がある。アンカーを採用したシステム、「守れる選手」で構成されたメンバー、そう崩れるものではない。
一方の上海上港は「エウケソン」、「コンカ」という力のある外国籍選手が特徴といえる。特徴といえるのだが、組織力、中国人選手も侮れるレベルではない。特に中国人選手は、日本代表クラスと比べても遜色がないレベルである。
前半、FC東京は上海上港をうまく押さえ込んだ。特に前線のエウケソンは、センターバックと高橋に挟まれ、存在感を消した。コンカにしても一発の怖さは秘めるが、輝くことはほとんどなかった。
何よりFC東京には気持ちがあった。絶対に自由にさせない、見ている我々にそう思わせる気迫、気合。その気持ちは、いわゆるインテンションが高いプレー、強度の強いプレーとして随所に表れた。
守備では「プレスにいく/いかない」の判断、そしてプレスにいったときは「奪い切る」思いきり、この2点は特筆に値した。攻撃にしても出来が良い。流動的にポジションチェンジをしながらそれほど多くはない人数で攻め切る。ミスも少ない。
これだけのプレーをすれば、必然流れは傾く。戦半終了間際に奪った先制点はセットプレーではあったが、FC東京の優勢がもたらしたと言っても良いように思う。
前半のFC東京は心(=メンタル)技(=戦術、技術)体(フィジカル)が揃い、会心の出来を披露した。
地力の差
前半43分という抜群のタイミングで奪った先制点。FC東京にとってはこの上のない展開。しかし、話はそう上手いものではない。後半の上海は地力を見せた。
後半、上海は明確にロングボールを増やす。アーリークロスで早めにゴール前へボールを放り込む。FC東京は後手に回り始める。端的に言えば、ゴール前でのフィジカル勝負では相手に分がある、そういうことである。いつしかセカンドボールも確保できず、押し込まれ、苦しい展開が続く。
やっかいなコンカも徐々に輝きを増す。檻から解き放たれたアジア最高のMFは、何もないところからチャンスを作る能力がある。やはり稀有な存在だと改めて認識させられる。55分に同点とされた場面も、コンカからラストパスが送られたが、それ以外でも防ぎようのないチャンスを幾度か作られた。
ピンチの量、質ともに前半と比することすらできない後半。それでも、劣勢のFC東京が最終的に勝利をおさめる、それがサッカーである。FC東京の気迫が勝った、と捉えることも出来なくはない。しかし、それ以外の理由を少し考えてみたい。ポイントは2つあったように思う。
ひとつ目は、阿部の投入。正直なところ、62分に東と交代で入った阿部は最後まで完全には試合に入れていなかったように思う。しかし、試合の流れは確かに変えた。何がそうさせたのか、明確にはわからない。運動量かもしれない、気迫かもしれない、判然としない。ただ、阿部の投入でFC東京が反発力を少しだけ取り戻したということだけは間違いない。
ふたつ目は、得点シーンに凝縮されるリスクテイクの姿勢。得点シーンは、ゴールを決めた水沼に加え、その大外からは右サイドバックの橋本も走り込んでいた。クロスを上げたのは左サイドバックの徳永だ。上海に押し込まれた後半だったが、ここという場面では両サイドバックが上がる。体力的にも厳しい時間帯で労を惜しまない。換言すれば城福イズムの浸透とも言えるかもしれない。
いずれにせよ、FC東京は十分に勝者の資格があったように思う。次節は、アウェーでの上海戦。正直なところチームの総合力は相手に分があることがこの試合で明確になった。城福監督は如何に手を打つのか。見所は多い。
あとがき
それにしてもFC東京、いいチームだった。Jに出てるFC東京は別物かしら。高橋のアンカーも素敵やん。日テレ系列の放送方法にかなり振り回されたが、いいものが見れた。
ガンバ戦でも思ったことだけど、上海上港は強い。派手さはないけど、地味に強い。強くて硬い。それでも前半に見せた気持ちがあれば、アウェーの次節もFC東京は悪い戦いはしないはず。
アウェーでの勝利は、相当にハードだけど、おかわりしちゃいますよね?ね?
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