紅蘭波主(グランパス)さん ~サッカー好きシステムエンジニアの観戦備忘録ブログ~

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【J1 1st 7節】スナック菓子の如き試合 アビスパ福岡 vs 名古屋グランパス(採点)

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明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第7節


【マッチプレビュー】

我らが赤鯱軍団はどこに向かっているのか。前節、最下位湘南に敗れる。今節は、その湘南にかわされた最下位福岡。ここで敗れれば降格争い待ったなし。

 

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フォーメーション&試合結果 

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アビスパ福岡

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名古屋グランパス

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採用された2つの戦術

物事が上手くいかない時ほど考えすぎる。考えるほど上手くいかなくなる。大抵の物事はそのように出来ている。小倉監督は考えすぎているのか。この人の性格を考えれば、考えすぎるほどに考えているように思う。まずはその考えの結実である変更を2つほど見ていきたい。

 

1つ目、中盤の左は永井ではなく19歳の杉森を配置した。これは2つの理由からと考えられる。まず、レギュラーの永井が怪我明けであること。ただしこれは、何か変化を加えたいという指揮官の気持ちを考えれば、この快足FWをジョーカーとして使いたいという欲求の方が上かもしれない。そして、19歳という活きの良さを期待しての抜擢、杉森本人自体の力量ももちろん理由である。

 

2つ目。田口は中盤の底に戻った。田口のタクトは中盤の底でこそ本領を発揮すると考えている僕は、この配置転換には賛同したい。ただ、実際にはポジションだけにとどまらず、役割も変更されている。これまで田口が担ってきたゲームコントロールの役割を矢田と二人で背負うようになったのだ。田口が上がれば、矢田が下がり、ディフェンスラインからのボールを受ける。いわば、トップ下の田口とボランチの田口を両立させるような戦術と言える。

 

結果を振り返れば、多少の効果はあった。あったが、継続して採用するほどのインパクトはなかった。杉森は時間帯によっては存在感を見せ、永井は途中出場からそれなりの脅威になった。田口は高い位置を取ることが増えたが、決定的な仕事は出来なかった。

 

どう攻めて、どう守るのか

ここまで戦術と言えないほどのことを長々と書いた。ここからはそれがあまり意味がないという話を書く。細かい約束事の前に名古屋にはどう攻めて、どう守るのかという戦術の骨格が無いという話である。

 

攻撃的な中盤に杉森、矢田、野田と並べたが、彼らに何を期待するのか。彼らを使ってどのような展開を望み、得点しようとしているのか。攻撃のコンセプトが判然としない。もちろん、日々練習を行っている以上、何かしらの狙いがあることは違いない。しかし、それは見えてこないのである。

 

開幕当初、古林のクロスからシモビッチのヘッドというパターンがあった。コンセプトと言うにはあまりに弱々しいが、結果が出ていたことからサイドからクロスを上げれば得点の可能性がある、という攻撃の共通理解にはなっていたように思う。

 

現状、前述も含め、これまでのチャレンジが雲散霧消しつつあるように思う。チームとして機能していない、とまでは言わない。しかし、およそチーム力という言葉が似合わないチームになりつつある。強力な個人がいればそのようなチームもいい。しかし、名古屋はそうではない。

 

守備にしても同様である。この試合、大げさに言えば、イ・スンヒが一人でボールを奪い、一人でセカンドボールを拾っているかのような錯覚さえ覚えた。つまり「戦術 イ・スンヒ」である。守備戦術で個人名が戦術として挙がるのは見たことはない。しかしイ・スンヒがいなければ、守備力が著しく低下するのは間違いない。実質的にそう言ってもいい。開幕から数試合、徐々に進化していた連動した守備は、随分と薄れてしまったように思う。

 

戦術なき戦い 

一方の福岡は少なくともコンセプトは感じられるチームであった。重心を後ろに残しながら守ってカウンターという狙いは、少なくとも前半は実行された。しかし後半は、オープンな展開となり、殴り合いでしかなかった。どちらかと言えば、コンセプトが無いというより、実行力に課題を抱えていると言える。まあ、名古屋をくみ易しと見て、攻めに出たのかもしれないが。

 

いずれにせよ下位に低迷する2チームの試合である。戦術的な見所は乏しく、特に後半は大味な展開となった。お互いにミスが多く、ボールは忙しく左右を行き来した。必然、展開がダイナミックになり、面白みが増したことは皮肉である。

 

確かにこれはこれで楽しい。どちらも得点のチャンスがあり、どちらも失点のリスクがある。ジェットコースターのようなスリリングな展開。アマチュアであれば、最高の試合展開と言ってもいい。しかし、これはスナック菓子のような安い楽しさと思える。プロにあっては勝敗を運否天賦としてもらっては困るのである。戦術的な応酬こそがプロの醍醐味であり、プロの料理足りえるのだ。

 

採点(名古屋グランパス)

GK 楢崎 正剛 6.0

やはりキャッチングの安定感は流石。復帰できたことが何よりも重要。

 

DF オーマン 6.0

速さへの脆さが出かかった場面はあったものの、ウェリントン含め福岡の攻撃陣にしっかり対応できていた。

 

DF 大武 峻 6.5

これまでに見たことのない頼もしさを見せた。気迫も感じられ、いつもの大きなミスもなかった。もしかしたらこれまで竹内に遠慮していたのだろうか。もしくは竹内がいない状態が大武を一皮剥けさせたのだろうか。

 

DF 安田 理大 5.5

右サイドバックとして出場。それほど違和感なくプレー出来ていたが、凡庸だったように思う。

 

DF 高橋 諒 5.0

攻撃のミスが多く、何度もチャンスを潰した。大きな欠点がある選手には思えないが、これといった武器のない選手に見える。

 

MF イ・スンヒ 7.0

守備のタスクを獅子奮迅の運動量でこなしきった。調子は良い。

 

MF 田口 泰士 5.5

頻繁に高い位置に顔を出したが、ゲームをコントロールしたか、という意味では中途半端だったように思う。広い視野を活かせる低い位置に固定しても良いように思う。

 

MF 野田 隆之介 5.0

これといった存在感はなかった。まずチームとして野田をどう使うか、そしてそれをしっかり実行する、といったことをしてあげた方がいい。

 

MF 矢田 旭 5.0

役割が複雑化し、いつもの活動量を上手く活かせなかった。また、ゲームコントロールも矢田では荷が重い。

 

MF 杉森 考起 6.0

後半になるに従い存在感を消したが、いいプレーは何度かあった。特に前半、ドリブルで持ち込む場面や、裏を狙うプレーは評価したい。期待も込めて甘めの採点に。

 

FW シモビッチ 5.0

徐々に脅威が少なくなっているように思う。対策が進んできたという側面もあるかもしれないが、コンディションがいまいちのように思える。

 

MF 古林 将太 5.5(58分投入)

野田が悪かったため、交代の意義はあった。しかし、決定的な仕事はできず。

 

FW 永井 謙佑 5.5(70分投入)

この時間に投入される永井は流石に脅威だ。幾度か左サイドで裏を取った。しかし、相変わらずの糞クロスも散見された。

 

あとがき

ふと思ったんですよ。あれ?開幕後しばらくしてからのチームよりも劣化してない?と。今日の試合も枝葉の工夫は見えたものの、肝心の幹は改善の兆しがないように思います。

 

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いや、ホント降格争いあるよね、こりゃ。

 



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