AFC U-19アジア選手権 グループC 第2節
初戦のイエメン戦を勝利し、上々のスタートを切った日本。が、内容を見れば、盤石とは言いがたいものだった。
そんななかでの2戦目はイラク戦。当然、イエメンよりも強さはある。グループリーグ突破を考えれば、負けることだけはしたくない。
内容を期待したいが、やはりまずは結果か。さて。
フォーメーション&試合結果
U19日本代表 |
0-0 0-0 |
0 |
U19イラン代表 |
初戦の延長
初戦と変わらない前半だった。前回の記事でも指摘した守備のまずさという点はそれほど改善は見られない。というより、この前半は攻撃のまずさの方が目立った。
イラクが堅いブロックを構築していたため、全てが彼らの責任とは言い切れない部分もある。が、それでも日本の攻撃はあまりに直線的過ぎたとは言えるだろう。ダイナミズムとクリエイティビティが足りないと言い換えてもいい。
堅固な人垣を前に無為なバックパスを繰り返した。打開策のない中の手持ち無沙汰でしかなかった。このあたり、ボランチの二人の気の利かなさが原因のように思う。前線が人垣で溺れる中、ディフェンスラインからの工夫というのは当然限界がある。そうであれば間を埋める中盤底の二人がなにか工夫をしなければならない。
にもかかわらず、彼らのフォローする動きというものは物足りなく過ぎる。初戦でも感じたことだが、このチームはボランチに人材を欠いているように思う。特に10番を背負い、キャプテンも務める坂井大将にはもう少し出来ることがあるはずである。
大分でのプレーはわからない。が、165cmという身長を考えても頭の切れ味で貢献するタイプの選手なのだろう。加えて背番号とキャプテンマークを見れば、相当な逸材と評価されているのだろうと推測できる。ここまで看板以上の働きは無いと思える。
一変の後半
いずれにせよ、多少のゴール前の行き来はあったものの、動きの鈍い前半であったという表現は間違っていない。が、後半はまるで異なる。出入りの激しい戦いとなった。
まず、イラクが人垣を崩した。前半は固め、後半に攻める。国際大会のオーソドックスなプランではある。在り来りな作戦のなかで敢えて特筆するならば、その凹凸がやや激しい。良い悪いは別として攻守の天秤はスイッチの切り替えと表現出来るほどには、はっきりとしていた。
当然、日本から見た中盤、前線に隙間が生じ、連鎖的に日本の活動性は増す。どちらが卵で鶏なのかというトピックスはあるが、いずれにせよ攻防のうねりは流れ出した。
ここまでの論理に難しさはない。が、日本の攻撃の歯車が、噛み合い出したことはこれらと関係があるのかどうか。初戦、そしてこの試合の前半まで見せたことのない連動性がいくつか姿を現し始め、終盤につれ波を大きくした。先にこのチームにはダイナミズムとクリエイティビティが足りないと書いた。そのどちらもそれなりに持ち合わせたチームに突如変貌したと言っていい。
と、褒め言葉のように書いてきたが、ここで語りたいことは賞賛ではない。このU19日本代表というチームの本当の実力をまだ疑っているということである。攻撃の良化はイランのプランと、何より後半20分あたりからの急激な運動量低下が主因とも言える。
もうひとつ書いておかなければならないこともある。それは、リスク管理があまりに拙いということである。波に乗ったかのように攻め立てた日本ではあるが、一方でイランにも何度か決定機は作られてはいる。後方のケアは疎かで、最大のリスク低減策は力のあるセンターバック2人の個人能力ということになる。ちなみに、この2人の中央の守備者は、ずば抜けて能力が高い。
まとめたい。
結論から言えば、この試合は引き分けに終わった。引き分けと言っても、比較すれば日本の方が出来が良く、勝点3に相応しいと言えたかもしれない。が、イランにも勝ち目はあり、事実決定機と呼ぶに相応しい機会が数度あった。些細な偶然で1点や2点を奪われる可能性は十二分にあった。よって、彼らの実力をいまひとつ信じることが出来ない。
あとがき
やっとこGリーグ2戦目の感想。
なんだかダイナミックな試合でしたね。エンタテイメントとしては見応えのある試合ではあったものの、先々を考えると…初戦では目立たなかったものの、GKはあまり良くないですね。どこかでボロがでないといいですが。
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