キリンチャレンジカップ
フォーメーション&試合結果
日本代表 |
2-0 1-3 |
3 |
ハイチ代表 |
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結論から書けば収穫はごくごく少ないよね。
ひとまず試合の流れを振り返ってみよう。立ち上がり、日本のパス回しが機能し、ハイチを圧倒した。ハイチが日本のパス回しについてこれなかった、と言った方が正しいかもしれない。つまり、日本が優れていたわけではなく、ハイチが問題を抱えていたという解釈が正しい。
ただし、ハイチは決して弱々しいチームではないということは付け加えておきたい。組織面にそれなりの課題があるが、フィジカルはオーストラリアをも超越した強靭さをみせつけた。FIFAランク40位は流石に盛りすぎだとは思うものの、多くの人が「ハイチ」というチーム名から感じるイメージよりはずっと強い。
脇道に逸れた。ハイチの立ち上がりの不安定さに乗じて、日本は序盤で2得点を奪った。ここまでは想定通りだったと思う。が、失点で雲行きが怪しくなった。
攻撃が停滞し始めた日本を尻目に、ハイチは得点を重ね、逆転に成功する。失点後、日本は完全に冷静さを失っていたとしか思えない。というか、パニックだったと言っていいと思う。どの失点もお粗末で、決してハイチのラッキーパンチではない。
敗れるに相応しい試合は、最後の最後、香川の得点で引き分けには終わった。ただ、勝利もなく、明確な新戦力の台頭もなく、やっぱり残念な試合だったと評価せざるを得ないよね。
それでも、代表戦ではある。感想もないわけでもない。なので、備忘録も兼ねて各ポジションの印象をざっくり書いておこうと思う。
まずはセンターFW。杉本の生き残りは厳しいように思う。もちろん彼なりの良さはある。が、大迫との実力差、というより適合性の差はかなり大きい。ボールの収まりどころに乏しい日本では、トップでボールを収めてくれる大迫は相当にありがたい存在だ。仮に本大会でカウンターを主戦術にするならば、更に大迫が活きてくるだろう。
杉本は、大迫レベルのポストプレーを身に着けるか、もしくは圧倒的な決定力のような異なる能力が必要になる。もちろんセンターFWの控え人材が欠乏しているという消極的理由で選ばれる可能性はあるが、個人的には武藤で十分ではないかと思っている。
続いてアウトサイド。既に実力が分かりきっている選手が多いが、浅野にはいつも疑問を感じる。圧倒的なスピード、とよく言われるけど、その能力が存分に発揮される場面をほとんどみたことがない。スーパープレーでチームを救うこともある。だけど、貢献度のアベレージは低いと感じる。というわけで、ジョーカーとしてさえ物足りなさを感じるのだけど、あくまで「※個人の印象です」ではある。
インサイドハーフでは、小林、倉田ともに好印象を残した。小林はテンポの良いタッチで(特に序盤は)ゲームメイクに活躍。ただ、この役回りでこのレベルのプレーならば、香川や本田も十分やり切れるのではないかとも思う。なので、少ない枠に敢えて小林を入れるのか、と言われれば、現時点では厳しい。
一方で倉田はワールドカップメンバーに名を連ねるのではないかと思っている。この試合でも得点を奪ったが、チャンスとなる隙間を見つけ出し、入り込むことが巧い。これは、数こそ減るだろうが、強豪相手にもワンチャン作れるのではないか。ジョーカーとして期待したいね。
アンカー。遠藤が務めたが、厳しいのではないか。もう少し攻撃を操るようでなくてはならない。ましてやインサイドハーフに井手口や柴崎のような、ある程度守れる選手を配置される可能性も高い。より攻撃は求められるはずだ。なので、うちの田口なんていいんじゃないですかね?ハリルさん。(いや、わりとマジで)
センターバック。吉田の相棒が見つからなかった、と書かれている記事もみかけるが、それは違うと感じる。1対1に圧倒的な強さを持たない日本人CBを語るならば、ペアで語るべきだ。よって、槙野+昌子のペアは現時点では厳しい、という見方が正しい。ただ、少なくとも1人欠けてもペアは作れるべきなので、吉田+槙野+昌子のセットでは厳しい、という言い方の方がより正確かもしれない。
サイドバックでは車屋が新顔だった。投入直後は消極性が目立ったが、時間とともに持ち味も出てきたように思う。この一戦だけみるならば、大した印象は残せていないが、伸び代はあるように感じた。もう少し時間を与えてもいいかもしれない。
最後にGK。正直に言えば中村がみたかった。東口が悪いキーパーではないことは知っている。が、スーパーなキーパーでもないと認識している。であれば、川島を越えていけるポテンシャルが感じられる中村を試しても良かったのではないか。が、まあ東口にもチャンス与えるべきだよね、というのもわかる。
以上、ざっくり各ポジションの印象を語ってみた。ちょっと雑感のわりには長くなってしまったけど。
当然、この試合の出来ではワールドカップには参加するだけになる。もちろん、日本代表のレベルは現時点でもこの程度ではないことは知っている。だけど、「ワールドカップで勝てるチーム」を作るために一度チームを壊すつもりならば、かなり茨の道でもあるな、と感じた一戦でもあった。
古い井戸に頼るのか、新たな水脈に期待するのか。ハリルは腕の見せ所。11月遠征を楽しみに待ちたい。
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