明治安田生命 J2リーグ 第40節
フォーメーション&試合結果
ファジアーノ岡山 |
0-1 0-0 |
1 |
名古屋グランパス |
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ほぼ完璧な試合(ただし後半半ばまで)
環境というのは大きな要因なのだな、と思う。というのも、この日の名古屋はチーム全体の動きがいい。その理由を秋の涼しさに求めたための感想だ。
前半から岡山を押し込み、幾度も決定機を作る。相手を完全に崩していて、多くの選手は動きにキレがあった。それは気温の低下もひとつの理由だと思う。その兆候は前節も表れており、青木やワシントンは先週あたりから既に元気が良かった。
ただ、多数のチャンスが生まれた大きな要因はもう一つある。岡山のプレスだ。
序盤、岡山のプレスは激しい。複数選手が猛然とボールホルダーに走り寄り、ボールを奪わんと迫力のあるプレスをみせた。が、ボールホルダーへアタックすることに邁進し過ぎてパスコースを消せていない。言い換えれば、個々の選手は頑張っているが、プレスに連動性が薄い。
確かに名古屋は強いプレッシングに弱さをみせる。特にリーグ戦前半は、強いプレスがかかれば、別人かと思うほどあたふたし、自らペースを崩す試合も多々あった。しかし、今の名古屋は多少以上に進歩している。
強いプレスであってもパスコースが閉められていなければ、パスを繋げる。技術がある選手が多いだけに、ある程度囲まれてもボールを持てる。なので、むしろボールホルダーが囮の様な格好になり、逆にチャンスは大きくなると言っていい。
結果、奪った得点は最小ではあったものの、内容は風間サッカーそのものだったように思う。相手を誘い集め、相手選手間の細いスペースにパスを通し、ゴールに向かってボールを運ぶ。
ただし、この攻勢は試合を通して続いたわけではない。が、それは後述するとして、この試合では守備についても少し書いておきたい。前節のお粗末な失点をみせた対応から一転、この日は守備も冴えた。
まず、ボールを奪われた後の切り替えが速い。ボールを失ってもすぐにプレスが発動するため、致命的なカウンターが少なかった。もちろん、ゼロではないのだけど、これだけ攻撃に比重を掛けるチームとしては上出来だろう。
加えて2CBも、カバーリング、空中戦、どちらも安定しており、クリーンシートに相応しい出来だったと言っていい。
試合巧者への道
さて、べた褒め気味でお送りした今節の感想ではあるけれど、基本的に後半半ばまでについての話ではある。もちろん、勝点を失えない状況の中、無失点で勝ったのだから十分に褒められていい。ただ、やはり気になるので小言めいたことも書いておく。
終盤、運動量が落ちた名古屋は、岡山から波状攻撃を受ける。順調に刻んでいた攻撃のリズムは乱れ、間延びしたチームは機能不全に陥った。ともすれば、同点、いや下手をすれば逆転もあり得た。失点しなかったことは幸運だったと思った方がよい。
今の名古屋グランパスというチームは、自分たちの良さを全力で出し切ろうとするチームだ。だから、相手の良さを消す、という考えは薄い。よって、どの試合もたいてい相手の持ち味を発揮される時間帯があり、時には手痛い失点も喫する。それにより、何度も勝点を取りこぼしてきた。
言い換えれば、相手を見ずにサッカーをしている、ということに近い。この試合では必ずしも岡山の「良さ」に押された、という訳ではないが、終盤、キックアンドラッシュの様なサッカーにお付き合いしてしまった面があることは否めない。相手がラフなサッカーをしてくるのであれば、それに付き合わないようなサッカーというものがあるのではないか、と思うのだ。
求め過ぎなのかもしれないが、もっと相手をみてサッカーをしてもいいのではないかと感じてしまう。名古屋の次のステップは試合巧者になること、つまりは試合の流れや相手を冷静にみる目が必要なのではないか、と改めて感じた試合でもあった。
いや、それにしてもサポーターというのはどこまでも貪欲なものだね(笑)
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(書き次第アップ)