今大会、最後の試合、決勝戦。
いわゆる永遠のライバルと言われる韓国との対決。
ただ、この世代、これまでの対戦では韓国を大きな苦にしているわけではない。
条件に大きな差は見当たらない。
共に中3日での試合。ザルツブルグに所属する南野、ファン・ヒチャンは既にクラブへ帰還している。
日本 |
韓国 |
フォーメーション
試合評
正直なところ、韓国の方がチームとしても、個人の能力としても1枚上手だった。
序盤、落ち着かない日本としっかり落ち着いて試合を進める韓国を見るに、3-0で勝負が決するぐらいの力の差を感じた。
その上、序盤からエンジン全開の韓国は思惑通り2点を先行したわけなので、まさに理想的な展開だったはずだ。
それでも日本が勝てた勝因は、選出された選手の力を余すこと無く使いきったということだろう。もちろん高さのあるCBや、浅野というジョーカーを持っているという、このチーム独自の強みもあったが、力を発揮させきった手倉森監督の手腕、つまりは選手の把握能力が素晴らしかった。
選手採点
GK 櫛引 政敏 6.5
序盤、若干不安定なところを見せたが、いつもどおり頼りになる守護神だった。
失点シーンは絶対に取れないゴールとは言えないが、責任は薄い。
DF 植田 直通 5.5
釣り出されるシーンもあり、これまでの出来の中では不出来。
それでも終盤のパワープレー対策として、いるといないのでは、安心感が違う。
DF 岩波 拓也 6.0
的確なポジショニングでゴール前に安定感をもたらした。
しかし、後半序盤の危険な時間帯は後手を踏みすぎた。中央の攻撃に対応できず、いつ失点してもおかしくない場面は多々あった。
DF 山中 亮輔 5.5
運動量もあり、攻守に顔を出す場面は多かった。
ただ、プレーの精度、プレーの選択の悪さが目立ち、効果的なプレーは少なかった。
DF 室屋 成 6.0
いつもどおり、攻守共にいてほしい場面に顔を出せていた。
連戦の疲れか、流石にプレーの精度はこれまでよりも悪く、決定的な働きは出来なかった。
MF 遠藤 航 6.0
後半の序盤までは信じられない危険なミスもおかし、チームのブレーキになった。
チームのバランスが悪く、遠藤の負担が大きすぎたこともあったが、選手交代によってバランスが修正されると、攻守にキーとなるプレーを連発した。ただ、それだけではなく、精神力の強さによる部分も大きいように思う。
MF 大島 僚太 5.0
ゲームを全く作れなかった。そもそも攻撃のスイッチとなるパス自体少なかったが、数少ない縦パスも精度が悪かった。それだけでなく、何でもないパスでもミスが多すぎてチームのリズムを壊した。途中交代は妥当。
MF 中島 翔哉 6.0
中島にしてはミスが多く、肝心なところでキープが出来なかったり、パスが引っかかったりした。これまでの出場時期間を考えれば致し方ない。それでも使い続けられるのは、技術の高さから繰り出される一発があるから。今大会で安定感も増した。
MF 矢島 慎也 6.5
正直なところ、運動量はあるものの、得点まで効果的なプレーは見られなかった。
それでも失点直後の混乱を見逃さずに決めた値千金の同点ゴールは、素晴らしい価値を持つ。まさに忍者ゴール。
FW オナイウ 阿道 5.5
運動量が豊富で守備を助けたが、序盤、リズムを作れなかった原因のひとり。
ポストプレーで難易度の高いダイレクトを狙いすぎ、あまりにも雑なボールの落としが多かった。
FW 久保 裕也 6.5
序盤、ボールが収まらず苦労したが、後半開始から1トップになって以降は、しっかり起点となった。残念なのはサッカーセンスはあれど、サッカーIQがどうしても物足りなく感じてしまうところ。
MF 原川 力 6.5 (後半0分)
バランスの悪かった中盤を運動量と共に改善した。前半の問題点であった選手間のフォロー不足を埋めるかのように走り回り、ミスも少なかった。
FW 浅野 拓磨 7.5 (後半15分)【MOM】
ついに決勝で爆発した。2得点共に簡単なゴールではなかったが、Jリーグで見せている実力をやっと発揮できた。終盤に投入される浅野のいやらしさは相手チームにとって相当な負担だったろう。
FW 豊川 雄太 5.5 (後半30分)
終盤に投入されたが、効果的なプレーが出来たとは言いがたい。
有り余ったパワーが空回りし、逆にチームの迷惑になる部分も。
監督採点
手倉森 誠 7.5
あれだけ出来の悪かった前半を早めの選手交代で見事に修正した。
今大会をとおして、驚くような采配は少ないが、確実の選手交代が光った。それは一重に選手の特徴を知り尽くしているからだろう。