紅蘭波主(グランパス)さん ~サッカー好きシステムエンジニアの観戦備忘録ブログ~

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【ACL GL 3節】なぜ勝ち切れない? 上海上港 vs ガンバ大阪(感想)

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アジアチャンピオンズリーグ、グループGの第3節。ここまで2分けのガンバは、アウェーで1勝1敗の上海上港と対戦する。

 

2016年を迎えたガンバ大阪の公式戦成績(ゼロックス除く)は2勝2分1敗。過密日程の中、粘り強く勝点を拾っているとも言えるが、波に乗り切れていないのも事実。ACLグループリーグの折り返しであり、ゼロックスから続いた8連戦中の7戦目。序盤の趨勢を決めかねない試合で気持よく勝っておきたいところ。

 

一方上海上港は、アサモア・ギャン、コンカ、エウケソンというアジアで実績十分な外国籍を抱えるチーム。爆買と言われる欧州一流選手にはポテンシャルで及ばないかもしれないが、これまでACLで豊富な経験を積んでいる分、むしろ厄介かもしれない。(面倒くさいんで、以下外国人3人衆と呼ばせてください)

 

果たして、ガンバ大阪は勝利を得て、グループリーグ突破の糸口を見いだせるのか?

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試合結果


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上海上港

2

1-0

1-1

1

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ガンバ大阪


上海上港、強烈ではないが規律の取れたチーム

まずは両チームのフォーメーション、そして前半の流れを追っていきたい。

 

似た者同士のフォーメーション

上海上港は、左右のサイドハーフとダブルボランチを置く4-4-2。ダブルボランチの一角に攻撃力の高いコンカを配置し、2トップにはアサモア・ギャンとエウケソンがつく。攻撃の多くは外国人3人衆が担うが、右サイドは攻撃的。サイドハーフが中に絞り、空いたスペースに頻繁にサイドバックが上がってくる。

 

対するガンバ大阪も同じ形の4-4-2。今日のスタートはパトリックと宇佐美の2トップだった。上海上港とは逆にガンバは、左サイドが攻撃的だ。特にサイドバックの藤春は攻撃に優れ、攻撃参加する回数も断然多い。都合、同サイドがお互いの攻撃的なサイドになるため、熱い戦いが繰り広げられるのかな?とも思ったけど、まあ、そこまで熱くもなかった。ちなみにアデミウソンはベンチ外。

 

意外にも規律を守る外国人3人衆

序盤、意外だったことがひとつ。2トップのギャンもエウケソンもそこそこ守備をする。前線からボールを追い込むのだけど、アリバイ的な守備ではなく、それなりに気迫のあるチェイス。やっぱり、世界的な知名度のあるエリクソンが指揮官だってことが大きいのかな。前線に居残って、点を取ることだけ考えられた方が怖いような気もするけど、そんなエゴっぷりは感じさせなかった。

 

よって上海上港の陣形はわりとコンパクト。それに2トップが下がり、ボール回しに参加することも多いので中盤に人は多い。一方のガンバは、やや下がって待ち構える形。守備時もパトリックはあまり自陣に戻らないため、フォーメーションは若干縦に長くなってしまう。当然、中盤の密度で劣勢に立たされるのでなかなかリズムは作れない。加えてこの日はミスが多かった。

 

ただ、前半は無理にパスを回していくつもりがなかったんだと思う。実際、パトリックにロングボールを供給する回数が多く、主導権を取ることよりも、リスクを少なくすることを重視していたように思う。

 

前半終了間際の手痛い失点

そんな中、前半終了間際、ガンバ大阪は痛い失点を喫する。やや距離のあるFKをゴール前に放り込まれ、ギャンに得点を許す。序盤からセットプレーの守備は上海上港の方がはるかにまずく、点が入るならガンバのセットプレーと思っていたんだけど、逆の結果になってしまった。

 

実は失点の前、暫くの間、ガンバ大阪は数的不利を強いられていた。オ・ジェソクが治療のためピッチにおらず、右サイドはボランチの井手口がケアする非常事態。その分、真ん中が手薄になり、ガンバは相当に押し込まれた。

 

この試合のあやはここではなかったかと思う。想定内の劣勢だった時とは打って変わって、ボランチがディフェンスラインに吸収されるほどギリギリで守り切る状態になってしまった。ここで失点に続く流れのようなものを上海上港に持って行かれてしまったように思えなくもない。

 

勝てない相手ではなかった

1点リードを許した状態で迎える後半の流れを追いつつ、敗戦の原因を考えてみたい。

 

終盤にかけて殴り合いの展開に

後半、ガンバは攻めに転じる。上海上港は前半ほどエネルギッシュにプレスをかけてこない。なので、前半に比べてボールは回るようになった。しばらくすると両チームのスタミナも切れてきて、目に見えてスペースが空き始める。

 

試合は徐々にオープンな展開となる。つまり、スペースがあるのでお互い攻撃が通りやすい。こうなるといわば殴り合いのようなもので、カウンター合戦のようになってくる。この状況は個人の能力(技術もフィジカルも含め)が高いチームの方が有利だと、僕は思う。

 

そうなるとどちらのチームが有利なんだろう?上海の外国人3人衆に匹敵する選手はガンバ大阪には見当たらない。本来なら宇佐美にその可能性があるんだろうけど、今日の出来では、難しい。ただ、ガンバ大阪の選手の大半はフィジカルを含めたとしても中国人選手より能力が高いように見えた。

 

そう考えるとどちらにも同じぐらい点を決めるチャンスがあるように思う。とすると、殴り合いは確実な勝つための方法ではないということになる。1点を追いかける展開だったとは言え、もう少し戦術めいた何かが必要だったんじゃないだろうか。結局、お互い1点ずつ加え、上海上港が勝利した。

 

なぜ勝てなかったのか

外国人3人衆の能力は高かった。高かったものの、「分かっていても止められないような能力」をゴリ押ししてくるようなタイプでもなく、隙さえ見せなければ抑えきることも出来たように思う。個人的にはチームとしてはガンバ大阪の方がポテンシャルは高かったように思う。中国人選手と日本人選手の差が思った以上にあるのかもしれない。

 

ではなぜ勝てなかったのかといえば、単純明快。今日のガンバはミスが多すぎた。そしてそのミスの原因は恐らく過密スケジュールによるコンディション不良なんだろうと思う。特に遠藤は致命的なミスを連発し、今日の出来は最悪と言ってもいい。宇佐美にせよ、パトリックにせよ動きにあまりキレは感じなかったし、ある程度頑張れていたのは、井手口と今野ぐらいだろうか。

 

まあ、連戦からくるコンディション不良によって負けました、と言ってしまうと元も子もないんだけどさ。

 

4月以降も厳しい戦いが続く

今週末のJ1第4節を終えれば、Aマッチウィークに突入する。代表選手以外は一息つけるだろう。あっ、ということは宇佐美は休めず、U23遠征がある井手口あたりも休めないということ?調べてみると、4月もJとACLで8試合。これは厳しい。

 

正直なところ、J開幕~ACLという春先は完全な無理ゲーなんじゃないかとも思う。何かを犠牲にしなければ(例えば広島のように)何かを得られないのかもしれない。とは言え、Jの代表として是が非でもグループリーグを突破してほしいというのも本音。

 

ACLはガンバをフォローしていくと心に決め、次回の上海上港とのホームゲーム以降もガンバ戦を観戦していこうと思う。