明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第10節
【マッチプレビュー】
前節浦和戦、チーム力の差をまざまざと見せつけられ、一敗地に塗れたグランパス。正直なところ何も出来ませんでした。
ゴールデンウィーク連戦の半ばに差し掛かったマリノス戦、短いインターバルの中、どのような姿を見せてくれるのでしょうか。
フォーメーション&試合結果
名古屋グランパス |
1-0 2-1 |
1 |
横浜F・マリノス |
女神に愛されすぎた名古屋
試合全体の流れを見れば、理想的な時間帯に得点を重ねた名古屋に勝利の女神が微笑んだと言うことができるかもしれない。しかしその実、勝利の女神は自らの足で名古屋に歩み寄り、勝ち星を手渡してくれたという方が真実であろう。
得点の入った時間帯を追ってみよう。前半33分、後半4分、後半28分。まず、前半も終盤にかかる時間帯で奪った先制点。1点リードのまま折り返せるアドバンテージは大きい。そして、後半開始直後の2点目。相手は出鼻の出鼻を挫くに抜群の時間帯に奪った追加点。最後の3点目は、3分前にゴールを決められた直後、相手の希望を砕く効果的なダメ押し。
なるほど、このポイントで得点を奪えれば間違いなく勝利を得る事ができる。サッカーのセオリーとしてそう断言できる。しかし、これらの得点を試合全体の流れで見ず、局面で見ればどうか。
先制点、2点目は相手キーパーのファンブル。(特に2点目はキーパーチャージを取られてもおかしくはない)つまり、試合のペースを握った1点目、2点目について言えば「ツイていた」と表現する他ない。
もちろん名古屋の頑張りが相手のミスを誘い、得点を生んだ一因となったことは否定しない。それに、3点目のカウンターは永井、川又の二人で攻め切った見事なカウンターだった。しかし、今日の試合に勝利した一番の要因は「運」であったと、僕は断言する。
名古屋と似ているマリノス
だが、横浜F・マリノスが勝利に相応しいチームかと言えば、それも異なる。確かに幾度と無く決定機は作られたが、そこに押し込んでくる重圧や、次々と迫る波を感じない。怖さがないのでやられたという感覚がない。
思うにマリノスと名古屋はよく似ている。一定レベルの攻撃、一定レベルの守備は構築されているが、工夫がなく、リスクを取らない。ゴール前に人は少なく、流動性もあまりない。なるほど、名古屋を相手にしたチームはこう感じるのであろう。
繰り返すが、試合内容を客観的に見れば、決定機はマリノスの方が遥かに多い。結果として、スコアが真逆でも何の不思議もない試合ではあった。しかし、名古屋とマリノスというふわふわとした2チームが戦った時、運、という要因で勝負が決するのは如何にも相応しいようにも思われる。その意味で、この試合はどちらも勝者に相応しくはなかったとも言えよう。
採点(名古屋グランパス)
GK 武田 洋平 7.5【MOM】
相変わらずセービングに不安定さを見せるも、決定機を3度以上防いでみせた。武田が止めなければ勝ちはなかったことから、ミスには目を瞑り、MOMとした。
DF 竹内 彬 6.0
言葉の問題なのか、オーマンとコンビを組むといい意味でより慎重になるように思う。いつもに比べ大きなミスは少なく、安定感の方が目立った。
DF オーマン 6.0
荒削りだが可能性のあるオーマンを僕は買っている。高さという明確な武器とクイックネスという明確な弱点。アグレッシブではあるが、ミスもある。この日もミスはあったが、しかし、差し引きでは帳尻が合っていると考える。ただ、しばらく先発で出ていなかったように、チーム内での評価は低いのかもしれない。
DF 矢野 貴章 6.0
対峙は齋藤学だったが、勝負は五分といったところ。守備の仕事はできていたが、攻撃では物足りない。
DF 高橋 諒 6.0
無難にプレーできている。大きな活躍はないが、攻守に計算ができるような安定感が売りのプレイヤーのようだ。
MF イ・スンヒ 6.5
やはりイ・スンヒがいるのといないのでは、チームが違う。中盤の守備力は向上し、スペースを埋めるようにポジショニングすることで、攻撃時の選手の距離間も良くなる。欠かせない選手。
MF 田口 泰士 5.5
悪くはなかったが、ここ最近のマエストロっぷりは少し控えめだった。
MF 古林 将太 6.5
シーズン当初の勢いに少し陰りは感じる。ただ、先制点の起因となった右からのクロスのように目に見える結果を出すことが出来る選手。
MF 永井 謙佑 7.0
試合中、常に躍動していたわけではないが、幾度かの爆発的な攻撃を見せた。先制点の起点となったロングパスは正確で、3点目のカウンターではインターセプトからクロスを上げるまでスピードでぶっちぎった。無闇に走らず、肝心な時に向け力を貯めていたように思う。
FW シモビッチ 6.5
体調不良により前半終了と同時に交代。それでも先制点をあげ、仕事をした。キーパーのファンブルを見逃さず、混乱を制して得点する力は流石。
FW 和泉 竜司 6.5
Jリーグ初得点をゲット。ただしここ最近、過信からか持ち過ぎる面も見られ、悪い状況判断も見受けられる。経験を積み上げ、判断力を磨いていきたい。
FW 川又 堅碁 7.0(46分投入)
思わぬ形で長い時間出場するチャンスを得る。得点は難しいバウンドをアクロバティックに合わせるワンタッチゴーラーの面目躍如。カウンターでは、縦へのスピードを見せつけ、シモビッチと違う持ち味をアピールした。
MF 矢田 旭 採点なし(71分投入)
MF 小川 佳純 採点なし(89分投入)
あとがき
勝ちました、勝ちましたが…
「これはまさに…僥倖っ……!」
すぐに神戸戦、期待してます。
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【ハイライト】名古屋グランパス×横浜F・マリノス「2016 J1リーグ 1st 第10節」