明治安田生命J1リーグ セカンドステージ 第7節
【マッチプレビュー】
勝てない。14戦未勝利だったか。もはや偉大な記録である。クラブはボスコヘッドコーチを迎えた。ストイコビッチ政権の腹心と言われる人材である。正直なところ期待は微塵もない。より混乱を招く可能性すらある。
何かが変わった、この試合でそう思わせてくれるのか。
フォーメーション&試合結果
サンフレッチェ広島 |
2-0 0-0 |
0 |
名古屋グランパス |
広島の鈍さ
この気温、この湿度である。お互いに動きは鈍い。ただし、その性質はやや異なる。
広島の鈍さは、鈍さのなかにもしばしば鋭さがある。暑さのなかで、やるべきことに優先度があると言い換えてもいいかもしれない。
試合全体としては鈍くあっても、必要な労力を怠ることはない。酷暑という前提のもと、必要最低限のポイントは抑える、といったふうである。省エネをしながら大きなチャンスやピンチではしっかりと燃料を使う。
もう少し話せば、それを制御する回路は青山であった。そもそも名古屋はなぜこの男をこれほど自由にさせたのか。この優秀な指揮者は、酷暑の試合で抑えるべきところを抑え、チームを操り切った。
名古屋の鈍さ
さて、名古屋である。こちらの鈍さは単純な鈍さと言えるかもしれない。
名古屋は暑さという条件のなか、普段使いのプレーをしていたように見える。結果、暑いから抑えているわけではなく、暑さに抑えられてしまった。これは広島と対照的と言える。暑さ、という条件が優先順位のなかに含まれない。チャンスであってもその動きは鈍いが、チャンスでなくともやはり鈍い。
このあたり、チームの実力という他ない。いつかの記事で名古屋はサッカーIQが低いと書いたが、この話もその文脈で語っていい。このチームは全体としての有機的な思考が薄く「わかっているプレー」というものがほとんどない。
結局、意図的に鈍さを創りだした広島が、意図せぬ鈍さでもたつく名古屋をしっかりと撃破した、そういう試合だった。
採点(名古屋グランパス)
ぼんやりとした試合だったため、採点が非常にやりにくい。もちろん試合の内容が内容だけに身が入らなかったという事実の言い訳である。
GK 楢崎 正剛 5.5
やや安定感に欠ける。珍事と取ることも出来るが、楢崎でさえ精神的な疲労が大きくなっていると捉えることも出来なくはない。
DF 竹内 彬 5.0
DF 大武 峻 5.0
DF 酒井 隆介 5.0
DFの採点は難しい。リトリートし続けるやり方が苦戦の要因には見える。ただ、それは恐らく決まり事だと理解した。よってDFの責にはし難い。敢えて何かを書くならば、先制点は竹内、酒井、2失点目は大武に責が重い。特に酒井は相手を視界から外すことが多いように感じられる。いずれにせよ、3人共五十歩百歩でそれほど良くはない、と括らせてもらう。
DF 安田 理大 5.5
DF 矢野 貴章 5.5
両サイドも括らせてもらう。個々に言及するほど出来に大差はない。何度かミキッチ、柏にやられ、しかし、同様に、もしくはやや上回る程度に相手に困難を与えた。ただ、得点には結びつかず、いつもの安田、矢野であったと思えばよい。
MF イ・スンヒ 5.0
かつての輝きは薄い。今の布陣では攻撃での関与がより求められる。そして、それをしようという姿勢も見える。が、果たしてそれが彼の使い方だろうか。やや荒くも、抜群の吸引力を誇った頃を懐かしく感じる。
MF 明神 智和 6.0
攻撃への関与はこれまでの試合で最も大きい。イ・スンヒと比較すれば、より上手くこなしている。しかし、相手に青山というより高性能な選手があるため、この試合で目立ったとは言い難い。
MF 和泉 竜司 5.5
光るドリブルはあった。ただ、所詮は孤軍でしかない。また、守備での貢献がほしい。松田にも言えるが、青山を自由にさせない役割は彼らのものだと感じる。とは言え、彼の勝気さは名古屋のほんの僅かばかりの光明でもある。
MF 松田 力 5.5
悪くない攻撃は何度か見せた。同様に効果的な守備は必要。
FW 永井 謙佑 6.5
採点が難しい。ワントップということからポストプレーもこなしたが、周知のとおり得意なプレーとは言い難い。一方で得手とする裏への抜け出しは今シーズン最も発揮出来たと言える。採点は後者を重視した。
MF 田口 泰士(69分~)採点なし
FW シモビッチ(81分~)採点なし
MF 磯村 亮太(84分~)採点なし
あとがき
厳しいですね。残留できると思える心が、いまのところ微塵も浮かび上がってこない。正直なところ希望の見えない名古屋の試合を見るのが苦痛になりつつあります。見るけどね、最後まで。
みなさんはいかがですか?
■ブログランキング■ 【気が向いた時にでもポチってください】 |
【ハイライト】サンフレッチェ広島×名古屋グランパス「J1リーグ 2nd 第9節」