AFC U-16 アジア選手権 準々決勝
【マッチプレビュー】
圧倒的な得点力で勝ち抜いた予選リーグ。果たしてこのチームは強いのか。得点差がその実力を隠してしまっているように思う。
準々決勝の相手は因縁のUAE。予選リーグを勝ち抜いているだけに多少なりとも歯ごたえがあることは間違いない。遂にチームはベールを脱ぐのか。
フォーメーション&試合結果
日本代表 |
1-0 0-0 |
0 |
UAE代表 |
淡々とした武器
何も気負ってはいない。少なくとも表面からはそう感じられる。彼らが一面16歳の少年であるならば、気負って然るべきであると言える。
もちろんU17ワールドカップの出場権が懸かる一戦という意味である。前世代の出場権逸、A代表での連敗。こじつければ、材料はいくらも湧く。
が、序盤から彼らは淡々とUAEを攻め立てた。前半だけを取り上げれば、圧倒的と言ってもよい。異様なまでの決定力こそ影を潜め、最小得点には終わったが、ある意味で今大会最も完勝だったと断言してもいい。
もちろんUAEに特有の怖さはあった。U16でさえ引き継がれる、ラフなロングボールから偶然を重ね、一撃で仕留めるやり方は、もはやDNAであると言えるかもしれない。
が、UAEが持つ手段はそれだけでもあった。それ以外の手は何一つ日本に効果は成さない。その唯一の手段で、もしや、と思わないでもない瞬間はあるにはあった。しかし、それは数えるほどですらなく、大部分においてその匂いすら封じてみせた。
それにしても、この「淡々と」というものが、このチームの武器なのかもしれない。ゴールをかすめるシュートも果敢なドリブルも、それがどんなにきわどかろうが結局のところ結果は成功か失敗かの0か1でしかない。
そう捉えるからこそ(心の奥底はどうあれ、そう捉えられるからこそ)、攻守に切り替え、やるべきことを淡々とやり切れるのかもしれない。
そう考えてみれば、真に強いチームというものは、どこか淡々としているような気もする。
キャプテンシー
ところで日本人は(特に昭和の日本人は)、「魂の」という枕詞に弱い。なので、これは幾分寂しいように感じる。が、それは単に感傷でしかなく、ナショナルチームの強さに比べればどうということはない。
と強がってみたが、やはり物足りなくもある。魂の、は大げさにしてもキャプテンシーと呼ばれるものは必要には感じる。ここまで見てきたなかでは、際立ってそれを発する選手はいないように思う。あえて言えば、キャプテンの福岡慎平なのだろうか。これは真に逆境に追い込まれていないだけにまだわからない。
未だ劣勢を感じない今大会ではあるが、どこかでこの解答が示されるだろうか。この大会だけを見れば、不要な解答かもしれない。ただ、先々を見据えれば、早めに示されるに越したことはない。
あとがき
準々決勝に至ってますます選手が生き生きとしているように見えました。
例えば、久保。メッシに似たそのスタイルは、アジアを軽く越えるようなレベルを見せ始めてます。福岡の頭の良さはますます冴え、中村のシュートセンスも素晴らしい。
特に誰もが仕掛ける、DFであってもスルーパスを狙う、そんなイケイケなスタイルと、労を惜しまない前線の守備がこのチームを噛み合わせてます。
優勝?するでしょ!
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