ロシアワールドカップ アジア最終予選 グループB 第4節
最難の敵とアウェーで引き分けたという事実は悪くない。が、様々な条件を勘案すれば、果たして諸手を挙げていいものか。
このチームがドラスティックな改革を必要としているならば、そのきっかけが必要である。それは逆説的に言うならば、惨敗という結果が必要とも言える。
フォーメーション&試合結果
オーストラリア代表 |
1-0 0-1 |
1 |
日本代表 |
希望の前半
正直なところ勝って喜ぶべきか、嘆くべきか、しばし悩みはする。
ここまで不甲斐ない姿を見せつけてきたこの代表が、オーストラリアという難敵に、いやメルボルンにあっては天敵と言ってもいいかもしれない、ほのかにでも将来(さき)を照らす様なたたかいをしたのならば、こういうことは言わない。
それでも前半は良くやったと誉めていい。薄目で見れば、かつてのアジア王者の姿を僅かながらにも感じられたと言えなくもない。
もちろん横綱のような腰の据えよう、本物の風格が戻ったわけではない。目を凝らせばそのことはすぐにでもわかる。が、久しく見かけることのなかった選手間の連動や、それなりに鬼気迫る気迫が、いわばアジア王者の残滓のように見えたのかもしれない。
少なくとも、薄ぼんやりとでも、出口の明りが見えたように思わせるプレーではあった。しかし、それはあくまでも幻想であったようだ。
崩壊の後半
好調はきっかりPKを差し出すまでだった。52分以降の日本は、ラピュタが崩壊するが如く、形を保ちながらも徐々に無くなっていくような自壊だった。
そもそもオーストラリアはどこかがおかしかった。酔眼でたたかっているかのような鈍さがあった。後半、ギアが上がりきることもなかった。
にも係わらず同点以降、日本はバタバタと展開し、すっかりと落ち着きを失った。それは終盤にかかればかかるほど濃さを増していく。繰り返すが自壊したというイメージの方が強い。監督の采配も、選手の行動も、何もかもがボタンをひとつふたつかけちがっているような状況になってしまった。
端的に言えば、自信がないというシンプルな理由なのだろう。立ち返る場所がないと言った方が近いかもしれない。そう考えれば、前半、”気持ちのみ”でなんとか運転していたということか。悪い言い方をすれば、追い詰められたネズミのようであったのかもしれない。一瞬希望を見た自分の目は相当に濁っていると言える。
何かこれ以上書いても意味的には、ループ処理でしかない。そしてそのループは前節も含まれる。だからこのあたりでやめよう。
負けはしなかった。が、このチームは一度リセットすべきだと思う。しかしそのきっかけは相変わらず掴まなかった。それだけの試合だった、ととりあえずは断ずることとしよう。
あとがき
気付けばだいぶ昔の試合になってしまいました。
守備的なたたかいだったと評される試合でしたが、問題はそこではないように思います。どうしたいかの意思統一が不鮮明であったことが大きな問題で、統一さえされていれば、守備的だろうが攻撃的だろうが、パスをつなごうがつながまいがどうでもいいです。
しかしなんだかこのギリギリ感は20年ぐらい前の日本代表を見ているようだなー。不要なスリルに思います。
■ブログランキング■ 【気が向いた時にでもポチってください】 |