ロシアワールドカップ アジア最終予選 グループB 第5節
グループB、第5節。日本はグループ3位でこの一戦を迎えた。負ければワールドカップ出場に黄色い信号が灯る。監督の解任機運も高まるだろう。
真の崖っぷちではないかもしれない。が、負ければチームが崩壊しかねない。間違いなくそれなりに追い詰められてはいる。
フォーメーション&試合結果
日本代表 |
1-0 1-1 |
1 |
サウジアラビア代表 |
採点(日本代表)
まずは勝ち。それが何よりも重要。ただ、新しい力の台頭はこれまでの鬱憤がそのための助走だったのかとも思わせる。
GK 西川 周作 6.0
ほとんど出番のないまま終わるかとも思われた。が、終盤に失点。ただこれは事故に近く、減点ではない。それよりも、その後に取り乱すこと無くゴールを守りきったことを評価したい。
DF 吉田 麻也 6.0
制空権を握った。守っては落ち着き、いくつかの良いパスも供給した。ごく些細な集中力の足りなさもあったように思うが目を瞑っていいレベルではある。十分安定感はあったと言っていい。
DF 森重 真人 6.5
良い森重。集中力の穴は見えず、ワールドクラスとも思える印象的なパスを何本か通した。時間が経つにつれてより安定感は増し、頼もしさすら感じさせた。このパフォーマンスは、オマーン戦の丸山の出場も関係があるのかもしれない。
DF 長友 佑都 5.5
存在感はやや薄い。戦術上、サイドバックの攻め上がりが抑えられているとはいえ、その回数は寂しい。2点目の起点となったクロスは見せ場ではあったが、守っては同サイドの原口よりも目立たないという印象は考えた方がいい。たとえ守りの役割が異なっても、だ。
DF 酒井 宏樹 6.0
それなりに平穏に一試合を過ごした。彼についてはちょっとしたミスであってもついハラハラとしてしまう。左と比べ、攻撃回数は多いが、明確な結果はない。ただ、やはり自重気味だったと言っていい。
MF 長谷部 誠 6.5
相変わらずツボは抑える。際立ったわけではないが、その安定感が持ち味でもある。攻守どちらにも計算が立つ選手というのは意外と貴重なのかもしれない。それなりにボールを刈り取り、それなりに良いパスを出す。ただ、彼のサッカーセンスを考えればもっとやれてよい。もともとそれなりの選手ではない。まさしく優等生を見るようなジレンマか。
MF 山口 蛍 7.0
無くてはならない。チーム随一の読みを持っていると言っていい。彼の読みの良さが相当にチームを助けた。たとえボールを刈り切れなくともサウジの攻撃が停滞するアプローチは明確に日本のストロングであった。正直なところ、能力の高さはあれどJ2選手がこれほど闘えることに驚きを感じる。
MF 原口 元気 7.5【MOM】
気が狂ったとしか思えない精力。攻撃で効果的のみならず、守備での存在感も絶大。この負担の大きいポジションをあれだけ全力で演じながら多少の運動量の低下でこなし切った結果は、スタミナの豊富さだけではなく、精神力の強さとしか言いようがない。攻撃に言及すれば、前線でボールを受ける起点になれることが良い。もちろんドリブル突破は周知の武器だが、大迫と2起点を成せる点はよりチームにとっての援護となる。それでいて得点まで取れるのだからもはや言うことはない。
MF 清武 弘嗣 6.5
運命を分岐するPKを決めた事実は大きい。パス、ドリブル、シュート、キープと実にバランスの取れた攻撃的なミッドフィルダーではあるし、中心選手としての肝も育ってきたように思う。が、連携面にまだまだ改善の余地が大きいと思う気持ちの方が強い。それは攻撃の指揮者を担う以上追求すべき点である。
MF 久保 裕也 5.0
抜擢ではあったが試合にほとんど入れなかった。前半のみの交代も理由は怪我であるとも言われるが、出来としても妥当だったと言っていい。起点となる役割を期待されたのだろうが、突破を期待される逆サイドの原口の方がその点でも軍配が挙がる。
FW 大迫 勇也 7.5
大迫ハンパねー。 万能型と言われる彼だが、逆に言えば器用貧乏というイメージの方が強かった。が、これだけボールを収め、これだけ前線からのチェイスが出来て、これだけ周りを使えれば何も文句はない。もしこの状態を維持できるのであれば、第一FWであり続けることに疑問はない。
MF 本田 圭佑 5.5(46分~)
過去の人となりつつある。あの我々が頼ってきた本田圭佑はもういないと思わざるを得ないし、ポジションどころか代表選出すら危ないかもしれない。一時代の終わりの始まりに見えた試合だったが、当然逆襲は期待したい。
MF 香川 真司 5.0(65分~)
まるで試合に入れない。いったい香川に何が起こっているのか。試合感不足というより、自信喪失と言った方が正しいのかもしれない。
FW 岡崎 慎司(94分~)採点なし
あとがき
失点は大いに余計でしたが、会心の勝利と言っていいでしょう。
ドルトムント、ミラン、レスターの選手をベンチに置き、新しい世代をミックスしたスターティングメンバー。やっとザックの呪縛から解き放たれたのかもしれません。そして、それがこのチームに足りなかったピュアな闘争心を持たせたようにも思います。
ただハリルはどこまで狙ったのか。多分に偶然が含まれるような気もするので、次節以降も油断はするべきじゃないでしょうね。
■ブログランキング■ 【気が向いた時にでもポチってください】 |