準決勝 第1戦 上海上港(中国)vs浦和レッズ(日本)
日本勢唯一のベスト4進出。当然、Jの代表として個人的には大きな期待を寄せているし、世の中的に多くの責任も負っている。
相手は上海上港。グループステージでは1勝1敗であるものの、掴んだ1勝はかなり運が良かったと記憶している。確かホームで2度、上海のオスカルがPKを失敗し、1-0という最小得点で勝利した試合だった。
恐らく力関係は変わらず上海が上。が、昔からレッズは劣勢の試合の方が強いイメージがある。力の限りを尽くし、日本の代表として決勝に進んでほしい。
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フォーメーション&試合結果
上海上港 |
1-1 0-0 |
1 |
浦和レッズ |
浦和は上海対策が奏功した
前半15分、上海上港が先制する。
度々放たれるフッキのミドルシュートは強烈で、Jレベルで連発されるようなシュートではなかった。得点も完全に彼個人の力で奪ったと言っていい。そして、それはそのまま上海上港の特徴を表している。つまり、フッキ、オスカル、エウケソン、アフメドフの外国籍選手に加え、武磊などの力のある中国人選手の能力(特に攻撃力)を前面に押し出して戦うという特徴である。
浦和は上海の特徴によく合わせていたと思う。
フッキを最大限ケアし、得点を許したとはいえ、ある程度、抑えたと言ってしまってもよいと思う。もちろんフッキを意識しすぎるあまり(というか恐れるあまり)、ディフェンスラインをズルズルと下げ、ミドルを打たれるスペースを与えすぎた感はあるが、フッキというチート選手を相手にすれば、いくらかそうなっても仕方がない。オスカル、エウケソン、アフメドフにしても何度か手を焼く場面はあれど、十分に抑えたと言っていい。
そして27分、浦和は柏木の得点で同点に追いつく。
浦和は再三、ディフェンスラインの裏を狙い続けた。上海のディフェンスは脆弱で、狙いは効果的だった。恐らく中国人選手で構成されたラインが欠陥を抱えていると分析した結果の行動だったのだろう。この点でも浦和はよく上海に対策していたと考えていい。この同点弾も不揃いだったラインを柏木と興梠がワンツーで破ったことによる得点だった。
ただし浦和の出来が良かったわけではない
しかし、一歩間違えば、浦和は大敗してもおかしくはなかったということも事実ではある。2度、バーやポストに助けられ、全体を通してみれば、劣勢だったと言い切っていい。
序盤からチームには固さがみられたし、試合を通じて状況判断は悪く、そして遅い。結果、不要なリスクを過剰に背負い、得られるチャンスを自ら投げ捨てるようなプレーが散見された。
例えば中途半端なクリアでピンチを脱しきれない場面があるかと思えば、ボールを保持出来るタイミングで大きく蹴り出す。はたまた可能性がかなり低い場面でスルーパスを引っ掛け、カウンターでピンチを招く。
最近の浦和が力を落としているとは言え、チームとしての出来は決して良くなかったと言っていい。選手個々に目を向けてもその印象は変わらない。
ゴールこそしたが、柏木は単純なパスミスが多く幾度もチャンスを潰した。フッキへのハードなマークはある程度奏功したものの、槙野のチャレンジは致命的なミスになりかけることが数多い。遠藤はボールウォッチャーになることが多々あり、武藤は無謀なドリブルを連発。個人として純粋に褒め得るのは、長澤ぐらいなものだろう。
だが分からなくはない。試合日程をみれば、浦和は8月からほぼ1週間に2試合をこなし続けている。ターンオーバーでしのいでいる印象だが、余裕があるはずもない。もちろんJ1で7位のチームであればこの程度である、と厳しく切り捨てることも出来なくはない。が、個人的には前者の影響が大きいのではないかと思っている。事実、終盤の浦和は気迫でゴールを守り続けたものの、ガス欠だったことは明らかだった。
その意味で、アウェイゴールを奪っての引き分けという結果は上出来だったと褒めていい。
上海を侮ってはいけない
一方でこの日の上海上港も大したチームではなかった。浦和の対策がそれなりに機能していたことを差し引いても、助っ人外国人たちはネームバリューほどの脅威を持ってはいなかった。
一本のパスやシュートに世界を感じることはある。しかし言ってみればそれだけだ。チームの中で機能してこそ脅威は倍増すると考える。恐らく上海の戦い方は大きく変わることはない。であれば、2戦目も似たような展開があると思える。
が、逆からみれば、一本のパスやシュートで試合を決める力があるということでもある。フッキ、オスカルは悪い意味で中国に順応してしまったような印象を受けた。プレーレベルは欧州のインテンシティではない。多少手を抜いたところで十分にやれる、そう思っているのかもしれない。しかし、実際それは事実で彼らは100%ではなくとも仕事は出来る。そもそもの持っている素質が異なり過ぎている。
せっかく持ち帰った勝点1、アウェーゴールではある。しかし、浦和は第2戦でも初戦と捉えるような慎重さが必要だろう。
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