明治安田生命 J2リーグ 第39節
フォーメーション&試合結果
名古屋グランパス |
1-0 3-2 |
2 |
ザスパクサツ群馬 |
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異常な環境下の序盤
ピッチ上は相当に異常だったと言っていい。特に風下の群馬は、より災難だった。高く蹴り上げたゴールキックは風に押し戻されて、垂直に落下するほどの抵抗を受けた。カウンター主体の群馬は当然、押し込まれやすい。
ただし、群馬が押し込まれたのは強風によるためだけではない。名古屋は、この劣悪なピッチであってもショートパスをしっかりと回せていた。これに群馬は対抗手段を持たなかったことも大きい。
が、やはり環境も大きい。風上の名古屋はゴールに向かうボールに恩恵を受けたように思う。いくつかのシュートは風に乗ってスピードを増していた。そして、先制点も同様に風上の恩恵として語っていいかもしれない。
ゴールからやや遠い位置で得たフリーキック。田口の右足から放たれた低めの弾道は鋭く青木の足元に吸い込まれた。風に乗ったのかもしれないし、そうではないかもしれない。ただ、大きな抵抗を受ける風下であれば生まれなかったゴールだろう。
相変わらず残念な守備
先制点から間もなくの前半途中。ゲームは悪天候により30分以上の中断となった。さて、雨風も弱まり再開、名古屋が確かな技術で更に攻勢を強めるか、と思われた。が、そうさせないのが名古屋式エンタテイメント。
後半の立ち上がり、50分、55分と立て続けの失点。逆転を許してしまう。
強いて言えば、50分の失点は仕方がないと思える。群馬が突然覚醒したかのように見事なパスワークをみせ、名古屋守備陣を崩した。失点シーンを見直してみても、特定の選手が悪いようには思えない。もちろん、そもそもサイドの守りが弱いチームだという要因は、当然ある。が、それは遠因と言ってよく、ここは群馬を褒めるべきだろう。
ただし、55分の失点は言い訳が効かない。ディフェンスラインの単純なパス回しから、ワシントンが相手FWへプレゼントパス。カンスイルに難なく決められた。この手のミスが根絶しない限り、名古屋が強豪になることはないし、名古屋式エンタテイメントは永久に不滅であり続ける。
一方で心強い攻撃
さて、長々と失点シーンを振り返ったものの、言いたいことは実はそれではない。
最下位相手の後半、逆転を許す。そして、リーグは残り4節、1ポイントも勝点を失えない厳しいシチュエーション。であるのに名古屋の選手にほとんど焦りの色がみられなかった。
なんと逞しくなったことか。確かに群馬は強いチームとは言えなかった。恐らくフラットに戦えば、5回に4回は名古屋が危なげなく勝つだろう。が、シチュエーションはいくらでもその実力差を覆す。
群馬の力を把握した名古屋の選手は、いつものサッカーをすれば負けるはずがない、と確信を持っていたのだと想像する。前述したように力関係はそうかもしれない。ただ、その確信を持つこと、そして事実として逆転することを成し遂げるのは、そう簡単なことではない。淡々とプレーする選手たちに大きな成長を感じずにはいられない。
言い換えれば、今の名古屋は攻撃に絶対の自信と実力を身に付けている。攻撃の形をここまで作り上げた風間監督は絶賛していい。なにしろシーズン開幕には何もなかった。脆弱な守備を差し引いてもお釣りは十分過ぎる。
厳しい状況の群馬
少しだけ群馬にも触れておきたい。
39節時点で大きく離されて最下位。J3の状況によるが、状況はかなり厳しい。
カンスイル、山岸といった体格に恵まれた攻撃陣に個人としては見るべきものはあった。が、少なくともこの試合ではほとんどそれだけでもあった。
特に守備は相当に厳しい。プレスはまずく、最終ラインは時に7人にも8人にもなるが、単なる壁であって有機的に機能しているとは言い難い。
何かと特色のあるクラブでもあるので、個人的にも思い入れがあるクラブでもある。仮に降格となってもJ2の多様性を代表するクラブとして1年での復帰を願いたい。
DAZN
さて、しれっと見逃し配信が修正されていたのでもう一度通しで試合を見直した上で感想を書いてみた。
【お詫び】29日 名古屋vs群馬、柏vs川崎、沼津vsC大23のライブにおいて、システムエラーにより途中終了する事象が発生しました。見逃し配信は最後までご覧いただけます。お楽しみのお客様へご迷惑をおかけしたことを改めて陳謝申し上げます。今後は再発防止と改善に努めてまいります。
— DAZN ダ・ゾーン ヘルプ (@DAZN_JP_Help) 2017年10月31日
ミスは誰にでもある。だから、ライブ配信が途切れたことはもう責めない。ただ、二度と起こらないよう原因と再発防止策の説明ぐらいはほしいというのが正直なところ。
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