M-150 CUP 2017
今更ながら、あけましておめでとうございます。
さて、U23日本代表のアジア選手権が中国で開幕しました。そこで新年一発目の記事は前哨戦となった昨年末のM-150カップ3試合の感想にしてみました。ニーズは少なく、しかも今更という記事ですが(笑)
本当は"田口の移籍"や"泰士の移籍"、"田口泰士の移籍"など書きたいことはいくつかあったのですが、まずは"明るい未来"について。
だいぶ遅い始動となりましたが、今年も1年よろしくお願いします。
フォーメーション&試合結果
決勝戦
日本代表 |
1-1 1-1 (3 PK 4) |
2 |
ウズベキスタン代表 |
第2節
日本代表 |
3-0 1-0 |
0 |
北朝鮮代表 |
第1節
タイ代表 |
0-0 2-1 |
1 |
日本代表 |
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M-150カップとはなんぞや
昨年12月にタイで行われた"M-150カップ"。大会レギュレーションは"U-23"だが、日本代表は"U-20"(今年の"U-21")で挑むこととなった。もちろんこれは"東京オリンピック"に向けた方針だということは分かりきっている。
が、そもそも"M-150カップ"とはなんぞや、というところからである。年齢制限は"23歳まで"ということは前述した。試合は「グループリーグ、3位決定戦、決勝戦」が設定されている。参加6カ国は「日本、タイ、北朝鮮」と「ウズベキスタン、ミャンマー、ベトナム」の2組に分かれてグループリーグを戦い、各組1位は"決勝戦"へ進み、2位は"3位決定戦"へ進む。そして最下位は"予選敗退"となる。
つまり、グループリーグ最下位となれば試合数が"1試合少なくなる"ため、日本代表の"最低ノルマ"は「グループ2位以上」と考えるべきだろう。
蛇足だが、このM-150カップは今回が"初開催"とのことだ。なるほど、どおりで聞き慣れない訳だ。更に蛇足だが冠である"M-150"とはタイ国内で圧倒的人気を誇る"エナジードリンク"だそうだ。なるほど、どおりで聞き慣れない訳だ(2回目)。
招集メンバー
大会それ自体、聞き慣れないM-150カップだが、"招集メンバー"もまた、やや聞き慣れない選手が並ぶ。これは、この世代のメインストリームとも言える"U-20 ワールドカップ組"が招集されていないからでもある。
シーズン終了のタイミングで行われる本大会。選手の疲労を考慮したとのことだ。大学生を4人抱えた上に、森保監督が視察していない選手も含まれている実験的な側面が強いチームとも言える。
ただ、これまでのオリンピックをみても、大学生が食い込んでくるケースはままある。また、急激な伸びを示し、当落線の下から最終メンバーに名を連ねる選手も必ずいる。だから、この大会に参加したメンバーのうち数名は本大会に参加する可能性は高い。2軍と侮ることは早急だと思うべきかもしれない。
=====
■GK
1 オビ パウエルオビンナ(流通経済大)
12 大迫 敬介(広島ユース)
23 谷 晃生(G大阪ユース)
■DF
3 立田 悠悟(清水)★
4 庄司 朋乃也(金沢)★
5 大南 拓磨(磐田)
20 麻田 将吾(京都)
22 岡野 洵(千葉)
■MF
2 岩田 智輝(大分)
6 浦田 樹(北九州)★
7 針谷 岳晃(磐田)
8 長沼 洋一(山形)
10 神谷 優太(湘南)★
13 平戸 大貴(町田)
14 三笘 薫(筑波大)
15 宮崎 幾笑(金沢)
16 渡辺 皓太(東京V)
17 井上 潮音(東京V)
18 菅 大輝(札幌)
19 松本 泰志(広島)
■FW
9 小松 蓮(産業能率大 )★
11 旗手 怜央(順天堂大)★
21 上田 綺世(法政大)
=====
※:★はアジア選手権2018にも選出されている選手
※:出典「ゲキサカ」
優勝すべきではあった
さて、長々と前置きになった。
結論から書けば、日本代表はウズベキスタンに次ぐ"準優勝"で大会を終えた。グループリーグ2試合、そして決勝戦。全3試合を戦えたため「ノルマは達成した」と言っていいだろう。
ただ、やはり残念なのは、優勝しておきたかった。いや、"すべき"であった。なぜならこのチームは最もシビアな公式戦となるアジア予選がない。つまり、チームとして"何かを掴み取るような経験"が出来る機会がほとんどない。
であれば、大なりであれ小なりであれ、"タイトルを奪い取る経験"、"何かを掴み取る経験"は多いほど良いように思う。加えてPK戦までもつれた決勝は、日本がやや優勢だった。それだけにもう少し"勝ちへの執念"が強ければ、勝利は引き寄せられたようにも思う。
若い世代を育てていくには小さかろうが、大きかろうが"きっかけ"は、多ければ多いほどいい。実験という側面からみれば、想定通り、もしくはそれ以上の収穫はあった。ただ、強化という側面からみれば、もう少し"欲"を深くしても良かったのではないかという印象が強い。
ウズベキスタンはPK戦に備えて終了直前にGKを交代するという"勝ちへの執念"をみせた。だから余計にそう思うということもあるとは思うのかもしれない。
短期間で構築されたチーム
とはいえ、大会を総括するならば、"成功"だったと言っていい。それは「選手の力量を試す」という意味でも「監督の力量を試す」という意味でもである。
何より急造と思われたチームは機能していた。3バック、4バックを違和感なく使いこなし、組織として大きな破綻も少ない。もちろん、まだまだ改善の余地はある。が、準備期間を考慮すれば、十分に褒められる。選手たちのポテンシャルは高い。
このチームの最大の売りは"バランス"だったかもしれない。攻守のバランスであったり、キャラクターのバランスであったりするのだが、特に「組織と個のバランス」が良かったということが印象に残る。
例えば、今大会は「3-4-2-1」という如何にも広島的な布陣をひくことが多かった。ときにウイングが最終ラインまで下がり5バックにもなる。しっかりとリトリートして強固なブロックを作る守備に特徴のある布陣と言える。その戦術を選手たちは、(どの選手が出ていても)ある程度消化した上で戦えていた。つまり"組織"としてサッカーが出来ていた。
一方で攻撃は選手の特長を活かす形が多い。例えばサイドに菅が入れば、彼の特長である突破を活かすため、サイドからえぐる攻撃が多くなる。例えばシャドーに旗手が入れば彼の細やかなドリブルで中央をこじ開ける。つまり"個"の特性が十分に表現された攻撃だった。
悪い意味でフル代表を見慣れてしまったのかもしれない。とにかく、組織の中で個をアピールする姿が新鮮に映ってしまった。今回のM-150カップに"明るい未来"を最も感じた点でもある。
森保監督
森保監督にとってもこの大会は初陣である。もちろん、今大会だけをみて判断することは早計なのは間違いない。よって、ここでは多少飛躍するが、日本代表の"日本人監督"に対する是非について少し書いておきたい。
というのも、この大会の日本代表は「いい意味で現実的」であり、それは日本人監督だったからこそなし得たように思えるからだ。
ザックジャパンのように日本のポテンシャルを信じ過ぎるわけでもなく、ハリルジャパンのように日本のポテンシャルを信じないわけでもない。日本代表の力量を的確に把握し、日本人を使いこなせる戦術を採用し、日本人が理解しやすい指導で浸透させる。恐らく森保監督はこれが出来ているのだろう。
が、"森保監督だけ"というわけでもない。ロンドンで結果を出した関塚監督も同様なのだと思う。もちろん、南アフリカで代表を率いた岡田監督も含まれるだろう。
フル代表でストレスを溜め続けている昨今である。もう一度日本人監督について、仮にロシア後であっても、考えてみるべきなのだろう。少なくともそう考えるほどの成果を森保監督はみせてくれた、という言い方はやはり早計なのだろうか。
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