紅蘭波主(グランパス)さん ~サッカー好きシステムエンジニアの観戦備忘録ブログ~

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【キリンカップ 決勝】収穫多いスパーリング 日本代表 vs ボスニア・ヘルツェゴビナ代表(採点)

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キリンカップサッカー2016 決勝


【マッチプレビュー】

準決勝のブルガリアを軽くいなした日本。決勝の相手はボスニア・ヘルツェゴビナ代表。とは言えメジャー選手であるジェコらは来日していません。まあ2軍でしょう。

 

勝ち負けにこだわるタイミングでも、トーナメントでもないけど、”一応”タイトルがかかった試合。 言ってみれば自作自演のようなタイトルだけど、取れるもんは取っといたほうがいい。その積み重ねが勝てるチームを作ることもあるわけだし。

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フォーメーション&試合結果 

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日本代表

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1

1-1

0-1

2

ボスニア・ヘルツェゴビナ代表

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最適なスパーリングパートナー

ボスニア・ヘルツェゴビナ代表は随分とまともなチームだった。まともとはやるべきことを選手が理解し、チームとして機能していることをいう。そして、これが一番重要と思えるが、十分なモチベーションを持ち合わせていた。

 

ボスニアは守備ありきのチームと言えた。DFとMFのラインは整然と並び、整った組織で守れていた。特にバイタルエリアはスペースを作らないので、活用は難しい。しかし仮想オーストラリアとしては理想的な相手とも言える。

 

一方の日本代表は、少し浮ついた立ち上がりを見せた。開始5分でオフサイドが3回、度々ずれるパス、そして何より表情に締まりがないように思えた。ブルガリア戦の大勝のせいかもしれないし、ボスニアの思わぬ力強さに戸惑ったのかもしれない、はたまた僕の勘違いかもしれない。ただし、それほど長い時間ではない。事なきを得て時間は進む。

 

前半、左サイドが良い。宇佐美、長友のコンビネーションが良好でいい形が何度か見られる。実際、先制点は左サイドを突破した宇佐美からアシストが生まれた。清武の得点は前半28分のことであった。

 

宇佐美について更に書けば、この日の出来は素晴らしい。具体的に言えば、スペースを狙う動きだ。これほど走り込む宇佐美は少し記憶に無い。宇佐美はサッカーが分かるからこそ無駄が出来ないのだと思っていた。天才にはありがちである。しかし、必要な無駄があることを認識したのかもしれない。誰かに言われたから腑に落ちないままやっている、というようには見えない。

 

さて、話を試合に戻す。先制点を決めた日本は、直後に同点弾を浴びる。さほど崩されたというわけでもない。何もないところから失点するのは日本の癖のようなものかもしれない。

 

同点で迎えた後半、日本はサイドに活路を見出す。これは半ば成功したといっていい。左の宇佐美、右の浅野、共に裏を狙い続け、おしい場面は何度もあった。しかし得点は生まれることは無かった。

 

逆にボスニアは日本ほど綺麗に崩しはしないが、しっかりと逆転弾を叩き込んだ。後半21分のことだった。加えて言うならば、この失点も何もないところから喫したものだ。ハリルホジッチが試合後に日本は正直過ぎると言ったことはこのことかもしれない。

 

前半はボスニアの優勢、後半は日本の優勢だろう。しかし、いずれにせよ僅差、もしくはほんの少しだけボスニアの優位、2つのチームの差はその程度と言えた。国内で開催されたAマッチで、これほどの相手と戦えた事実だけで、勝敗に関わらずキリンカップは成功したと言っていいだろう。

 

浮き彫りになった課題

繰り返すがボスニアは適切なスパーリングパートナーだった。日本は幾つかの課題が浮き彫りになるという収穫を得たのもその証左だろう。

 

積年の課題とも言えるが、やはり決定力は物足りない。ブルガリア戦はやはり一夜の魔法と考えるべきだろう。このクラスの、欧州中堅国を指すが、相手はそう簡単にゴールを許してはくれない。ディフェンダーの足、ゴールキーパーの腕、より数十cm先に伸びてくる。今の精度でも恐らく最終予選は何とかなるだろう。しかし、その先もない。

 

更に個人名を挙げるならば、浅野である。U23代表でも同様だが、決定力は低い。もちろん浅野には浅野の良さがある。しかしFWである以上、この位置に香川なり本田が起用されていれば、と思わせては厳しい。

 

守備についても課題を抱える。ブルガリア戦も含め、キリンカップの失点は全て防ぐべきものであった。それを解決するものは、組織的に、というより個人の能力であるように思う。スタメンを張る二人のセンターバックはアジアレベルを脱していないように思えるのだ。それはフィジカル能力であったり、集中力であったりする。

 

決定力と同じく、これも最終予選では問題にならないだろう。しかし、先を見据えるならば、最低でもどちらか一方は変更する必要があるのではないか。植田や岩波といった次世代のセンターバックも台頭しつつある。世界仕様に向け、早いうちにスタメンの奪取を望みたい。

 

採点(日本代表)

GK 西川 周作 6.0
わりに忙しい試合だったように思う。安定したセーブは評価出来るが、自慢のフィードをもう少し活用してほしい。

 

DF 吉田 麻也 5.5
逆転弾は相手を見ておきたかった。いい守備もあったが、時折見せる集中力の欠如はディフェンダーとして致命的ではないか。

 

DF 森重 真人 5.0
ジュリッチに完敗した。いいフィードはあったが、使うならば相棒のCBは高いレベルである必要がある。

 

DF 長友 佑都 6.0
左サイドで宇佐美と好連携を見せた。ただ、度々判断の悪さを見せることがあり、安定感にやや欠けた。

 

DF 酒井 高徳 5.5
守備はやや苦戦した。攻撃でも決定的な働きはできなかった。図抜けず、落ちこぼれずという意味で言えば豪徳クオリティと言えるかもしれない。

 

MF 長谷部 誠 5.5
バランサーとして一定の役割は果たしたが。原因は分からないが度々判断が悪かったように思う。

 

MF 柏木 陽介 5.0
柏木の日ではなかった。ボールが持てれば変幻自在だが、プレッシャーが強い試合でどのような持ち味を発揮するかは課題といえる。アジアが限界かもしれない。

 

MF 清武 弘嗣 6.5
先制点を奪った。引き続き好調に見えたが、今日のように操るより操られる立場でどう振る舞うかは考える必要がある。

 

MF 宇佐美 貴史 7.0
先制点をアシスト。裏を狙うことが頻繁で、相手にとって相当に厄介だったと思う。ニュー宇佐美の一端を見たのかもしれない。

 

MF 浅野 拓磨 5.0
様々な意味でチャンスを物に出来なかった。実際には裏を狙う動きが効果的で、チームの武器になっていたが、多々あった決定機を一度も物に出来なかった点、期待の大きさから、厳しく採点した。

 

FW 岡崎 慎司 6.5
度々裏を狙う動きは悪くなかった。ただ、ボールが出てこないことも多く、活躍の機会は限られた。今日のような展開であれば、前線で起点を作る方が効果的と言えるが、岡崎に全てを求めるのは難しい。

 

MF 遠藤 航 6.0(後半開始投入)
柏木に代わって後半開始から出場し、役割通り中盤を引き締めた。徐々にA代表にもなれ、プレーも安定してきたように思う。

 

FW 槙野 智章 6.0(70分投入)
左サイドのバックアップとして十分機能することを見せた。得意のサイドチェンジが炸裂すれば思わぬ武器になるかもしれない。

 

MF 小林 祐希 採点なし(74分投入)

FW 金崎 夢生 採点なし(79分投入)

MF 小林 悠 採点なし(88分投入)

 

あとがき

いいスパーでした。キリンカップを通して思ったことは、最終予選は問題ないだろう、ということ。たださ、世界基準を考えた時にどうモデルチェンジするんだろう。

 

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オリンピックが終わったところで融合し、最終形に近い姿で最終予選に挑んでくれれば、と思っとります。

 



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