明治安田生命J1リーグ セカンドステージ 第16節
降格圏に身を落とした名古屋ではあるが、依然として争いは混戦ではある。順位の上ではあからさまな格上の神戸ではあるが、勝点は是が非でも欲しい。
ジュロヴスキー監督を迎え上向く名古屋は果たして勝てるだろうか。
フォーメーション&試合結果
ヴィッセル神戸 |
2-0 1-0 |
0 |
名古屋グランパス |
完敗とは言いたくない
スコアの上では完敗だった。いや、もちろん内容の上でも完敗だったと言っていい。そうでなければ3-0というスコアにはならない。
それでもどこか完敗という言葉を素直に口にしにくい気持ちはある。「完敗という枠」に無理矢理押し込められてしまったような印象があるからだ。
「完敗という枠」を具体的に言えば、淡々と最悪の時間帯に点を加えられていった得点経過である。試合が立ち上がり始めた前半15分、前半が終わろうとする前半37分、反撃の気持ちを挫く後半24分。心を砕くに理想的なペース配分と言っていい。
この得点経過が、余りにもありがちな完敗ストーリーを思わせる。だから、実態以上に完敗したような錯覚に陥るが、内容を見れば必ずしも完敗とは言いたくない。
狂った方位磁針
唐突だが、富士の樹海では方位磁針が狂うということは無いらしい。ただ、磁性を持つ岩があり、その上でのみ、多少の狂いが生じるとのことだ。以上、ブラタモリ情報である。
何の話をしようとしているのか。試合の中身に触れようとしている。
そもそも出だしは悪くなかった。選手の距離感は変わらず悪くなく、前節磐田戦と、もしくはそれ以上に良好のように見えた。また、永井、小川の両サイドは飛び出し鋭く、頂点のシモビッチを起点とした凹凸は十分に機能的だった。
が、神戸の磁性を持った岩のような選手や、プレーに少しずつ狂わされた。ひとつひとつであれば、そこまで磁気の強い岩ではない。落ち着いて対応すれば、樹海を抜けられないほどの狂いは生じない。
例えばそれは、ペドロ・ジュニオールの中途半端なポジショニングであり(この磁気は多少強いかもしれない)、縦横に横切るロングボールであり、中坂というやや異質な存在であったりした。
しかし、名古屋はそれらに無策だった。だから、それらが重なり合い、時間とともに磁針を徐々に狂わせ、気付けば方角がわからなかった。
繰り返すが、個別の岩を見れば、神戸の磁気は決して強くなかった。加えて名古屋の出来も、本来悪くなかった。だから、あと一手間あれば、なんとかなったかもしれない。そういう思いが、やはりある。
まとめ
諦めがつかない気持ちを吐き出すために、わかりにくい例を持ち出して、長々と文章を書いた。が、もう少しだけ冷静にまとめてみたい。
まず、幾つかの神戸のイレギュラーに名古屋が対応できなかったと敗因を語ることは正しい。これはジュロヴスキーの戦術がやはり付け焼き刃であって、しっかりとした土台の上に建っていないことを改めて露呈させた。もちろんボスコを批判しているわけではない。この時間で採れる最善の策である。
後手に回ったかのような選手交代も、狂った方位磁針を無理矢理にでも正した作業のように見えた。そして、事実ある程度の効果はあったと評価していい。
神戸は対応せざるを得ないストロングを幾つか持ち、名古屋はそれに対応できずに敗れ去った。この試合をひと言で表現するならばそうなる。
次の湘南戦、彼らがどれだけ対応不可避の岩を設置できるか、名古屋は如何にして付け焼き刃の策で対抗できるか、それがポイントなのかもしれない。
あとがき
他力ですが、残れると確信しています。もちろん、希望的な想像の上に立っているので、何一つ根拠は積み上げていませんが。
正直なところJ2名古屋という姿も単純な興味のうちでは見たくないこともない、と思っていました。いくらか新鮮味もあるでしょう。
ただ、新鮮味も所詮1年限定でしょうし、昇格蟻地獄も甘く見ることはできません。であれば一時の興味でそれはそれで楽しみだ、なんて言ってしまうことは誤りでしょう。
何はともあれ、今シーズンの集大成。底力、期待しましょう。
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