EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会 第2節
フォーメーション&試合結果
日本代表 |
0-0 2-1 |
1 |
中国代表 |
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質の低くとも面白い試合
前節に続き、試合のレベルは高くない。日本、中国共にJリーグ中堅クラスといったところか。が、これはE-1サッカー選手権に特有の事情でもあるため、これ以上は突っ込まない。
ただ、内容は悪くなかった。特に前半30分に大島が負傷交代するまでは、攻撃のテンポも良く、試合を支配していたと言っていい。加えて、選手に程よい闘争心があり、過剰な緊張感や恐怖心がなかったこともプラスに働いた。
前節以上に実験的なメンバーだけに(より当落線の落選に近いメンバーであるがために)、それぞれの思い切ったプレーが出来たのかもしれない。何よりシンプルに北朝鮮戦よりもエンターテイメントとして上だった。
中でも伊東は面白いプレーをした。スピードでサイドをぶち抜く典型的なウィンガーのプレーは代表には皆無で、タイプ的に競争が激しくはない。そして、生き残りに必要な実行力もこの試合で示した。相手が相手ではあるが、有効な突破とクロスを幾つか提示出来た。今季、ほとんどJ1をみていないだけに普段のプレーはわからない。なので、伊東の本当の力量は理解していないかもしれないが、最後までメンバー争いに加わりそうな雰囲気はある。
他の選手に目を向ければ(怪我はしてしまったが)大島、東口あたりはアピールに成功したと言っていいのではないか。特に年明け以降に選出されるような突出した選手が見当たらないだけに、東口は第2、もしくは第3GKのメンバー選考レースとしては、あがりかもしれない。
ロシアで勝てるのか
前述したように、エンターテイメントとしてはそこそこに面白い試合だったように思う。が、ワールドカップを見据えれば、観ていて複雑な心境的になる試合だった。
この試合、代表慣れしていない選手が多数含まれるだけにハリルホジッチの戦術(やりたい事)が色濃いとみるべきだ。その戦術は、極めて端的に言えば、カウンターサッカー。それもロングボールを多用し、裏を狙う、つまりフィジカル要素に大きく依存するカウンターサッカー。フィジカル重視の傾向は、ある意味で世界の潮流ではあるものの、果たして日本が勝ち進むにあたって最適なのだろうか。
いや、カウンターサッカーを否定しているわけではない。むしろ日本にとって必要な戦術なのは間違いない。ブラジルで日本のプランAはポゼッションだった。しかし、プランBもポゼッションだった(プランBが存在しなかったとも言える)。ロシアに向けて、プランBにカウンターが必要であることは周知であったことは確かだ。
が、この日の日本はプランAがカウンターだったように思える。もっと大袈裟に言えば、プランBもカウンターで、プランCあたりにポゼッション、もしくはショートパスによる崩しがあるようなイメージか。
当然、フィジカル的に劣る日本がカウンターサッカーを主戦としたところで、どこまで通用するのか、という疑問は湧き上がる。確かに、これまでもハリルホジッチは日本にカウンターを持ち込もうと試行錯誤してきたし、ある程度スタイルも変わってきた。が、この日の日本はあまりにカウンターに依りすぎていたように感じる。
もちろん、アジア最終予選のオーストラリアのように上手くいくかもしれない。もしくは、この日の中国が同様にフィジカル要素が強かったため、必然ロングボールの応酬となっただけかもしれない。しかし、ハリルホジッチが弱小ではあるがフィジカルに優れたアフリカ諸国のような戦術要素を求めているようにも、どうしてもみえる。
ロシアでみる日本代表はバランスの取れた、日本らしいサッカーが出来ているのか。もしくは、ロングボールと裏抜けに頼り、やはり日本はフィジカルで勝負すべきではないという結論が繰り返されるのか。
いずれにせよ、準備の期間は短く、しかし整理すべき課題は多いと感じる試合だった。正直に言えば、どうしても日本の武器を自ら封印しているような気さえし、歯がゆく、かと言って監督を代えるタイミングでもなく、ただただロシアに対するワクワクが湧き上がってこない、なんとも言えない(敢えて言えば寂しいという感覚が強い)複雑な心境が試合の後味として残った。
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